【対談】トップアスリートと室伏スポーツ庁長官との特別対談 「スポーツ庁長官 室伏広治のアスリート近影」 羽根田卓也選手(カヌー)編《後編》

【対談】トップアスリートと室伏スポーツ庁長官との特別対談 「スポーツ庁長官 室伏広治のアスリート近影」 羽根田卓也選手(カヌー)編《後編》 ※この動画は、令和2年12月に撮影したものです。

新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年はこれまでとは環境が大きく変わった1年になりました。その中において、トップアスリートたちは延期となった東京2020大会に向けた努力を重ねてきました。

東京2020大会での活躍が期待されるトップアスリートの言葉を通じて、競技やアスリート自身の魅力を再発見するとともに、スポーツがもたらす前向きな力を発信していくため、室伏スポーツ庁長官との対談動画をシリーズで公開します。

今回は、羽根田卓也選手(カヌー)です(プロフィールはこちら)。

新しいことに挑戦するデメリットは一つもない

前編から続く:羽根田選手と室伏長官の新聞紙エクササイズの様子は、動画をチェック!

室伏

握力だけ鍛えていても、こういう動きはあまり使わない。新聞紙エクササイズは、デュアルタスクみたいな形で、握りながら開いたりとか、形が一度たりとも同じ形にならない。

櫻木

毎回色々な所に力が入っているということですね。

室伏

体ってダイナミックに動かすばかりじゃなくて、けっこう、ステディネスというか止めておくことも大事で、カヌーでも、保持したりとか体にちゃんと芯ができるようにという運動も大事ですよね。

櫻木

普段し慣れたトレーニング以外を採用するというのも、なかなか効果は大きいということなんですね。

羽根田

新しいことに挑戦することは、デメリットは一つもないので、何でも挑戦するのは僕は大好きですね。

コロナ禍だからこそ、スポーツが社会に貢献できること

室伏

コロナ禍の状況で、オリンピックが一年延期ということで、苦労されたと思いますが、逆にこういうときだからこそ、スポーツは大切だなと僕は思います。競技スポーツのみならず、日本全体が元気になるような。こういうときだからこそスポーツは社会に貢献できるんじゃないかというところは、何かありますか。

羽根田

スポーツをやっている身として、スポーツをやっているときって、没頭できると思うんですね。何かに没頭できる瞬間って、人間として非常に幸せな瞬間じゃないかなって、僕はスポーツをやっていて思っています。それは、必ずしも競技スポーツではなくて、家の中のおうちエクササイズでも何でも、体を動かすことで、何か一つに集中できて、それが没頭につながることで、例えば何かちょっとしたストレスから離れることができる時間を設けられたりするので、スポーツをするきっかけだとか、スポーツをやる前向きなマインドというものを、自分はアスリートとしても皆さんに伝えていくことができたらなと思っています。

羽根田卓也選手 1

室伏

羽根田選手のおっしゃったように、何でもいいと思うんですよね。何かちょっと、エクササイズとか身体活動を見つけて家の中でちょっとチャレンジしてみる。今は色々な映像もありますから、ちょっと真似してみたり。怪我はしちゃいけませんけどね。さっきの新聞も、まずはしっかり読んでいただいてからやっていただいてね(笑)。我々も、こういう取材しているときでも、一瞬取材を忘れていますよね。こうやって一生懸命になる。

羽根田選手が長官に聞きたいこと。長官としてアスリートに求めること。

羽根田

今、スポーツ庁長官という立場で、我々のような、競技としてスポーツに取り組んでいる選手に対して、何か、お願いや求めるもののようなものはありますか。例えば、我々も、競技に専念することが第一ではあるんですけど、やっぱり、元アスリートの長官の立場から、何か求めることがあればどんどん応えていって、スポーツ界の発展にも尽力させていただきたいなと、たぶん、僕だけじゃなくて色々なアスリートが思っているので、是非聞いてみたいです。

室伏

本当にありがたいです。やはり現役の選手なので、トレーニングするときはそれに専念していただいて、頑張っている姿そのものが本当に皆の力になると思います。
一方で、おっしゃったように、社会に還元するという面で、現役の選手というのは、発言力や発信力もあります。また、引退してから話すことと、現役中に話すこととはちょっと違うんですよね。例えば、私が言うよりも、羽根田選手が、若い人たちや同世代の人たちに言うほうが共感はあるんじゃないかなと思います。なので、若い人は羽根田選手のことをいつも注目していると思いますし、羽根田選手のような選手になりたいなと思う人もいるわけですから、是非若い人の目標となって、頑張ってください。そういうところで、普及活動やスポーツ振興にも、是非また御協力いただきたいという風に思います。

羽根田

ありがとうございます。室伏長官が就任されたときに、すごく心強かったんですよね。アスリート同士ということで、お互いのわかり合えるものがきっとより多いと思うので。そういうことで、もっともっと自分も協力できないかなと、常々思っています。

第一人者として、カヌー全体のレベルアップのために

羽根田選手と室伏長官の新聞紙エクササイズの様子は、動画をチェック!

櫻木

カヌー競技全体としてのレベルアップのために、第一人者である羽根田選手がどのようにして取り組まれているかということを教えてください。

羽根田

リオ大会をきっかけに、カヌー競技自体の認知度は、非常に東京オリンピックに向けても高まったとは思うのですが、実際に普及にはなかなかつながらないのが現実です。非常にもったいないなと思うのは、日本には池もあるし、湖も川も、海にも囲まれて、水がたくさんある地域であるにもかかわらず、なかなかカヌーと触れ合う場がないというのが、すごく自分としてはもどかしいところです。今は選手でなかなか時間がとれないのですが、もっと、レジャーからだったり、レジャーで興味を持った方が選手に安心して移行していったりできるような、幅広い世代の方が触れ合えるようなカヌーの土壌というものを日本で作れたらいいなと思っています。

羽根田卓也選手 2

室伏

スポーツ庁としては、日本のスポーツ界全体が盛り上がっていったり、今おっしゃったように、できるだけ多くの方が参加しやすい環境にしていきたいと思っています。羽根田選手を見てカヌーをやってみたいなという人が必ずいると思うのですが、どこでやったらいいか分からないこともあると思いますし、そのあたりのマッチングができると、楽しむレジャーとしてのカヌーが進んだり、競技人口も増えていったりする可能性もあると思います。今は大会に向けて全力で努力されていますが、またそういったことで協力してください。

羽根田

是非よろしくお願いします。

櫻木

日本として、5年後・10年後にどういう環境であるべきとか、こうあったほうが良いという思いなどはありますか。

羽根田

以前と比べて一番違うのは、東京オリンピックのカヌー会場が今の日本にはあるということですね。今まで、人工のカヌーコースというのが日本中になかったので、それが日本の真ん中の東京にできたことが、我々にとって非常に大きなことです。あのカヌーコースをきっかけに、カヌー競技を知ってもらったり、アクセスもすごく良く、安全面もすごく管理されていてウォーターアクティビティに非常に触れ合いやすい施設なので、カヌーだけでなく色々なものに活用したりしながら、あの施設をたくさん活用していけたらなと思っています。

スポーツの魅力を伝えながら、一緒にこの状況を乗り越えていきたい

櫻木

最後に、新型コロナウイルス感染症の影響がまだまだ続く中ではあるのですが、多くの方から羽根田選手に応援や期待の声をお受けになっていると思うのですが、その中で、改めて、この動画を御覧になっている国民の皆さんに対して、東京大会に向けた意気込みや伝えたいメッセージがございましたらお願いします。

羽根田

今はとても特殊な状況で、それぞれの大変なことがあるとは思いますが、僕は僕の目標に向かってまっすぐ進んでいって、その過程で、スポーツの力やスポーツの魅力というものを伝えながら、皆さんと一緒にこの状況を乗り越えていければいいなと思っています。

室伏

今日はありがとうございました。先ほど、スポーツしているとき、没頭するでしょ、っておっしゃいました。それは本当にその通りだなという風に思います。何か夢中になって没頭すること、しかも体を動かしながら。これはすごく人間にとっての喜びそのものだと思います。是非、皆さんも体を動かす機会を作っていただきたいと思います。
羽根田選手に関しては、こういうイレギュラーな状態で、大変な中を乗り越えて、オリンピックに出場して、予選を勝ち上がって、決勝に行って、その後にどういうコメントをするのか、どういう学びがあったかということを、終わったときに是非聞いてみたいですね。

櫻木

今回は、カヌー・スラロームの羽根田卓也選手にお話を伺いました。東京大会での御活躍を楽しみにしております。

室伏

頑張ってください。

羽根田

頑張ります。

櫻木

本日は、どうもありがとうございました。

羽根田

ありがとうございました。

羽根田卓也選手 3

羽根田選手との対談 前編はこちら!

【プロフィール】
羽根田 卓也(はねだ・たくや)
9歳から、父と兄の影響でカヌーを始める。世界レベルで活躍する事を目標に、高校を卒業してすぐに、スロバキアに拠点を移す。リオデジャネイロオリンピックでは、この競技アジア人初となる銅メダルを獲得し、一躍カヌーを日本中に知らしめた。東京オリンピック代表に内定しており、更なる活躍を目指す。

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