働き続けたくなる職場へ。~その経営課題、スポーツで解決します~

「働き続けたくなる職場へ。~その経営課題、スポーツで解決します~」というタイトルを伝えるための画像

スポーツ庁では、スポーツ実施率が低い子育て・働き盛り期において、職場を中心とした身近な場所で、運動・スポーツが実施できる環境を整備するため、「Sport in Lifeプロジェクト」を推進しています。

一方で、近年、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の観点から、職場における運動・スポーツを用いた取組が広まってきています。この取組については、いくつかの先行研究によって、スポーツ実施率の向上だけでなく、従業員の健康(身体的・精神的)、生産性(集中力、出勤率、業務効率等)、組織活性化(コミュニケーション促進、チームビルディング等)等にも影響を及ぼすことが報告されています。

これらのことから、職場で運動やスポーツ活動を取り入れることが、従業員や組織に対してどのような効果をもたらすのかなどについて明らかにするため、令和7年度に「職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究」を実施し、その結果をパンフレットにまとめました。

本記事では、Sport in Lifeプロジェクトの概要や、「職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究」の結果等について紹介します。

Sport in Lifeプロジェクトとは

「Sport in Lifeプロジェクト」とは、スポーツを行うことが生活習慣の一部となり、一人でも多くの方がスポーツに親しむ社会の実現を目指したプロジェクトのことです。 スポーツ庁では、「Sport in Life」の理念に賛同する企業、自治体、スポーツ団体、大学等で構成するコンソーシアムを運営し、優れた取組を行った団体を表彰する「Sport in Lifeアワード」や、従業員や大学生等のスポーツ実施に積極的に取り組む団体を認定する「スポーツエールカンパニー認定制度」等を推進しています。

本プロジェクトの主な取組内容は、次の三つです。

Sport in Lifeコンソーシアムの運営
参画団体数:5,627(2026年3月末時点)
スポーツエールカンパニーの認定
認定団体数:1,635(スポーツエールカンパニー2026認定団体)
Sport in Lifeアワードの実施

当プロジェクトの詳細については、以下のSport in Life公式ページからご確認ください。
Sport in Lifeプロジェクト

データが証明する運動・スポーツの経営的価値

近年、日本では従業員の健康管理を経営課題と捉え、戦略的に健康増進を図っていく「健康経営」という考え方が広まっています。この健康経営を実践するための手段の一つが、職場において運動やスポーツをとり入れた取組です。

スポーツ庁では、令和7年度に「職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究」を行ったところ、運動・スポーツの取組が、従業員の身体的健康や精神的健康の向上といった直接的効果だけでなく、生産性の向上やエンゲージメント等の向上といった組織レベルの効果にもつながることが明らかになりました。 ここでは、健康経営の導入を検討している経営者や担当者に向けて、職場で運動やスポーツに関する取組を実施した場合の効果について、いくつか紹介します。

①仕事のパフォーマンスが約8%高い

「病気やけががないときに発揮できる仕事のパフォーマンス」について、最高10点とした自己評価を尋ねたところ、職場における運動・スポーツの取組を利用・参加していない従業員が7.9点だったのに対して、取組を利用・参加し、運動が習慣化している従業員の平均スコアは8.5点でした。この両者を比較すると、約8%の差がありました。

仕事のパフォーマンスの平均スコアについて、職場の取組を利用・参加している従業員の8.5点と、利用・参加していない従業員の7.9点を棒グラフで示した画像

②働き続ける意欲が約24%高い

今の職場で働き続けたいかについて、「とてもそう思う」から「そう思わない」の5段階評価で質問したところ、「とてもそう思う」「そう思う」の割合は、職場における運動・スポーツの取組を利用・参加している従業員が約81%になりました。一方、利用・参加していない従業員が約57%で、その差は約24%でした。

働き続ける意欲において「とてもそう思う」「そう思う」を合算した割合について、職場の取組を利用・参加した従業員が81%、利用・参加していない従業員が57%と棒グラフで示した画像

③経営者の強いコミットメントで、取組種類は4倍に!

今回の調査では、経営者のコミットメントが強いほど、運動・スポーツの取組の種類数が多くなる傾向が見られました。特に、予算・人員など経営資源の割り当てや成果評価への関与が鍵とみられます。

職場における運動・スポーツの取組種類数の割合について、予算・人員割当&取組成果評価が7.12、経営者としてのコミットメントは特にないが1.83と棒グラフで示した画像

調査結果や取組事例をとりまとめたパンフレットを公開

スポーツ庁は、本調査研究の結果をまとめたパンフレット「働き続けたくなる職場へ。その経営課題、スポーツが解決します」を制作し、スポーツ庁公式サイトで公開しています。このパンフレットには、積極的に運動やスポーツに関する取組を行っている5社の事例も掲載しています。また、本調査研究の報告書についても掲載していますので、ぜひご覧ください。

パンフレット及び報告書の全容は、以下からご覧になれます。
職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究

第5回Sport in Lifeアワード大賞に松浦造園株式会社を選出

Sport in Lifeプロジェクトの一環として、「Sport in Lifeアワード」では、スポーツ人口の拡大に資する優れた取組を実施した団体を表彰しています。受賞団体には、受賞ロゴマークを付与し、団体の取組を事例集としてまとめて、Sport in Lifeプロジェクトの公式サイトで紹介しています。

Sport in Lifeアワードの詳細については、以下からご確認ください。
Sport in Lifeアワード

令和7年度の第5回Sport in Lifeアワードでは、松浦造園株式会社の『「造園職人の職業病」解決に向けた取組から始まった、社員主導の健康づくりと社内ジムの運営』を大賞に選出しました。造園や土木等の現場で生じる、腰痛や肩痛といった「職業病」を起点に、社員と外部専門家(理学療法士や作業療法士、アスレティックトレーナー)がワンチームになって、職人の動作分析や体力測定を行い、ワークショップを通じて改善策を企画・設計した点を高く評価しました。

具体的な取組は次の二つです。

  • オリジナルのストレッチ体操動画の制作と実践
  • 敷地内のプレハブに社内ジムを設置

これらの取組などにより、ワークエンゲージメントの向上や、採用活動をはじめとする経営課題の改善につながりました。

第5回Sport in Life アワードのロゴ
第5回Sport in Life アワード大賞を受賞した松浦造園 株式会社 が表彰されている画像

まとめ

本調査研究の結果を通じて、企業が従業員の運動・スポーツの実施を促進するためには、経営者の強いコミットメントと、従業員の関心に応じた多様な施策の組み合わせが重要であることが判明しました。こうした取組は、従業員の健康づくりはもちろん、生産性やエンゲージメント、人材の定着といった経営課題の解消にもつながります。さらに、取組を定量的に評価して改善につなげることが、効果創出を継続させる鍵となります。

これからもSport in Lifeプロジェクトを推進しながら、一人でも多くの方がスポーツを楽しむ、スポーツを行うことが生活習慣の一部になる社会を実現させていくとともに、健康経営の推進を検討する経営者や担当者の皆様のために有益な情報を収集、発信していきます。

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