靴が「動く」の起点になる~健康応援プロジェクト「シュープロ」始動~

「シュープロ」記者発表会で河合純一スポーツ庁長官とシュープロ賛同団体などが一堂に会した画像

令和8年9月2日、スポーツ庁は新たなソーシャルアクション「シュープロ」を開始しました。運動やスポーツを特別なものと捉えず、日常的に着用する「靴」を切り口に、一人ひとりの「動く」習慣を後押しするための取組です。

同年8月27日には、このプロジェクトの本格始動に向けた記者発表会を開催し、企業や自治体の代表者によるトークセッションも行いました。

本記事では、「シュープロ」のコンセプトや記者発表会当日の様子、そして賛同団体の申込方法など、この健康応援プロジェクトについて紹介します。

「シュープロ」とは~靴を起点とした健康応援プロジェクト~

「シュープロ」は、一人ひとりが自然と動き出したくなるようなアクティブな日常を後押しするために、スポーツ庁が新たに立ち上げたプロジェクトです。「シューズ」と「プロジェクト」から着想を得て名づけました。

この取組の背景にあるのが、運動・スポーツの習慣化と実施率向上という社会課題です。スポーツ庁が例年実施する「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、20歳以上の週1日以上の運動・スポーツ実施率は約52%にとどまり、特に20代~50代の子育て・働き盛り期世代で低い傾向となっています。同調査では、運動・スポーツの実施頻度が減った、あるいは増やせない理由の上位も次のように確認できました。

参考:令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」

年代、性別ごとにスポーツ実施率を示した資料

このように、日々の忙しさに加えて、心理的なハードルの高さも、運動・スポーツから人々を遠ざけている要因になっていることが分かります。

そこで、スポーツ庁が着目したのが「靴」です。運動・スポーツと聞くと、競技やアスリートの姿を思い浮かべる人が少なくないでしょう。そこで、その前段階の「動く」という視点に切り替え、誰もが日常的に身につけている靴からアプローチすることで、ハードルを下げるようにしました。

運動・スポーツを始めるきっかけとして、ビジネスシーンを含め「動きやすい靴」の利用を促進。個人をはじめ、職場、地域、企業・団体といった多様な主体が、それぞれの立場で「動く」を自然かつ日常的に増やしていくことを目指します。

実際に、職場で運動・スポーツの取組を行った場合、従業員の働き続ける意欲が高まるといったデータも報告されており、こういった取組は個人の健康増進だけでなく企業経営にもプラスの効果をもたらすと考えます。

参考:働き続けたくなる職場へ。~その経営課題、スポーツで解決します~

スポーツ庁が「シュープロ」を通じて描く展開は、次のとおりです。

1. 動かない日常という社会課題
↓
2. 動きやすい靴を選び、それに履き替える
↓
3. 日常生活での行動変化(歩く、階段を利用する、外出するなど)
↓
4. 運動・スポーツの実施促進
↓
5. 健康の増進、ウェルビーイングの向上

足元の小さな選択から、社会全体の健康応援へとつなげていく仕組みです。

「シュープロ」記者発表会を開催

「シュープロ」の始動に先立ち、スポーツ庁は記者発表会を実施しました。当日、河合純一スポーツ庁長官からプロジェクトについての説明に加えて、賛同団体の代表者等を招いたトークセッションを2部構成で行い、それぞれの立場から「シュープロ」に向けた取組やシュープロへの期待を発表する場になりました。

記者発表会の概要

記者発表会の概要は次のとおりです。

開催日 令和8年8月27日(木)
開催場所 文部科学省東館3階 講堂
プログラム内容 1.スポーツ庁長官からの「シュープロ」概要説明
2.シュープロ賛同団体等によるトークセッション
3.シュープロ賛同団体等によるフォトセッション
4.スポーツ庁長官による出展ブースの視察
5.スポーツ庁長官囲み取材

河合スポーツ庁長官が「シュープロ」始動を宣言

記者発表会の冒頭、河合スポーツ庁長官から「シュープロ」始動の宣言とともに、当プロジェクトの内容について説明がありました。その中で、「『シュープロ』の成功の鍵は共創です。民間企業、地方自治体、スポーツ団体をはじめとする主体の皆様からご協力をいただきながら、当プロジェクトを進めていきます。そして、一人でも多くの方が前向きに活動するきっかけをつくり、その結果としてウェルビーイングな人生を過ごせる方が増えることを願っています」とも語っています。

「シュープロ」の本格始動に向けた記者発表会で、このプロジェクトの成功の鍵は共創であると呼びかける河合純一スポーツ庁長官

トークセッション第1部|シュープロの描く未来

第1部では、「シュープロの描く未来」をテーマとしたトークセッションを実施。ファシリテーターに東京大学大学院の鎌田真光准教授、パネリストに以下の5名を招き、それぞれの「シュープロ」に関する取組について発表していただきました。

  • 株式会社アシックス 副社長 千田 伸二氏
  • 埼玉県戸田市 市長 菅原 文仁氏
  • GMOメディア株式会社 代表取締役社長 森 輝幸氏
  • 株式会社JTB 執行役員 福井 貴裕氏
  • ゼビオホールディングス株式会社 副社長執行役員 中村 考昭氏

例えば、ゼビオホールディングス株式会社の次世代足型測定サービス「FEET AXIS(フィートアクシス)」です。中村氏は「この機器に搭載する3D計測器でお客さまの足型を計測し、①足の幅と長さ、高さ、アーチタイプと、②運動時の体重負荷の2つの観点から分析。そこで得たデータと、当社が蓄積してきた各メーカーのシューズデータをマッチングさせ、一人ひとりにフィットする一足を提案しています。当社は、『シュープロ』というプロジェクトを通じて靴の選び方にとどまらず、日常生活での『歩く』を下支えしていきたいです」とフィートアクセスを活用したシュープロへの意気込みを述べました。
パネリストの皆様からの発表を踏まえて、鎌田氏は「社会全体としての仕組みづくりから一人ひとりへのアプローチまで、さまざまな活動や情報提供、サポートが広がっていくことが、アクティブな行動を日本全体で推進するきっかけになるのではないかと考えています」とコメントしました。

トークセッション第2部|シュープロ×ライフスタイル

第2部では、「シュープロ×ライフスタイル~歩きたくなるシューズとファッションとは~」をテーマとしたトークセッションを実施。引き続きファシリテーターに東京大学大学院の鎌田真光准教授、そして、以下のパネリスト6名を招き、シューズとファッションの観点からの「シュープロ」への取組について説明していただきました。

  • 株式会社カーブスジャパン 常務執行役員 齋藤 光氏
  • 香川県 健康福祉部 次長 和田 朝子氏
  • 株式会社チヨダ 上席執行役員 マーケティング統括本部長 安立 邦広氏
  • 日本郵政株式会社 スポーツ&コミュニケーション部 風戸 啓希氏
  • 日本航空株式会社 人財本部 ウエルネス推進部 フィットネストレーナー 藤田 和氏
  • ミズノ株式会社 アスレティック事業部ライフ&ヘルスマーケティング部 部長 中菊 昌之氏

例えば、日本航空株式会社は、2025年11月より、JALグループ6社では客室乗務員と国内外の空港スタッフの14,000名を対象に、制服着用時にスニーカーを選択できる運用を始めています。藤田氏は「この背景にあったのは、社員が生き生きと働ける環境を整えたいという想いです。当社の現場業務は、想像以上に足腰に大きな負担がかかります。例えば、客室乗務員の場合、機内での1日当たりの歩数が1万歩以上に及ぶこともあります。そこで、疲労を蓄積しにくくし、コンディションを良好に保ちやすくしたりするためにシューズの選択肢にスニーカーを加えることが、社員の働きやすさに直結すると考えました。
『シュープロ』に関連した取組には、職場環境はもちろん社員の行動変容やウェルビーイング向上にもつながる可能性があるため、大きな期待を寄せています」と述べました。

最後に、鎌田氏は「私たちが目指すべきことは、一人ひとりが日常の窮屈さから解放され、自然と身体を動かしたくなる、アクティブな生活を送りやすくなる社会をつくることではないでしょうか。そのためには、職場におけるルールづくりや環境整備、企業における製品やサービスのラインアップ増加や開発、さらには社会全体の認識の向上や価値観の醸成など、多くの関係者が一緒になって取り組みながら新しい文化をつくり上げていくことが必要です。本日がそのきっかけとなり、さまざまな場所で新たな取組が進んでいくことを願っています」と総括しました。

シューズとファッションをテーマとしたトークセッション第2部に登壇した、企業・自治体の代表者と鎌田准教授

トークセッション終了後、河合長官が会場内の各ブースを視察しながら、「シュープロ」賛同団体の取組に直接触れる場面が見られました。会場内にブースを出展したのは、次の10の賛同団体です。

  • 香川県
  • GMOメディア株式会社
  • 株式会社JTB
  • 株式会社SPEED STAR
  • ゼビオ株式会社
  • 株式会社チヨダ
  • デサントジャパン株式会社
  • 日本郵政株式会社
  • ミズノ株式会社
  • スポーツ庁
河合純一スポーツ庁長官が株式会社SPEED STARのブースで説明を受けている画像 河合純一スポーツ庁長官が株式会社チヨダのブースでオリジナルシューズについて解説を受けている画像 河合純一スポーツ庁長官がデザントジャパン株式会社のブースで説明を受けている画像

「シュープロ」賛同団体の募集について

スポーツ庁は、「シュープロ」に賛同する団体を広く募集しています。ここでは、賛同団体になることで得られるメリットと、実際の申込方法を紹介します。

賛同団体になるメリット

「シュープロ」の賛同団体になった場合、次のようなメリットがあります。

  • 「シュープロ」のロゴやキャッチコピーを、自社広告やECサイト、店舗などで活用できること
  • スポーツ庁と連携しながら、シュープロに関連する取組や、職場内での「動きやすい靴」の推奨などを推進できること
  • スポーツ庁のオウンドメディアで、賛同団体名とその「シュープロ」にかかわる取組が掲載・発信されること

スポーツ庁のオウンドメディアを通じて自団体の取組を発信できる点は、企業のブランディングや採用活動の助けになるでしょう。(※スポーツ庁のオウンドメディアでの掲載に際しては、スポーツ庁が定める基準を満たす必要があります。)

賛同団体になるための申込方法

「シュープロ」賛同団体への申込方法は、次の3ステップになります。

  • STEP1:スポーツ庁「シュープロ」Webサイトから申込
  • STEP2:事務局による審査
  • STEP3:事務局からの参加承認、ロゴの使用許可

事務局での審査を経て承認されると、「シュープロ」のロゴマークの使用が許可されるとともに、Webサイト上で主体名が紹介されます。「シュープロ」の賛同団体になることを希望する場合、Webサイト上にある申込内容をご確認ください。

まとめ

「シュープロ」は、靴を起点に個人や企業、自治体などと連携しながら、運動・スポーツの習慣化を目指す健康応援のソーシャルアクションです。9月2日より賛同団体による取組が本格的に始動しました。「シュープロ」に関心がある方は、各団体の動きにご注目ください。

スポーツ庁は、今後も「シュープロ」への賛同を呼びかけるとともに、このプロジェクトに関連する取組を継続的に発信していく方針です。動きやすい靴を選ぶという小さな一歩が、より多くの方々のアクティブな毎日につながっていくことを期待しています。

スポーツ庁が制作した「シュープロ」画像

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