みんなで一緒に楽しもう! お洒落でゆるい運動会
10代のスポーツをしない女性の多くは「面倒くさい」「スポーツが嫌い」「特に理由はない」といった理由によって、スポーツを敬遠しているようです。
いま、そうしたスポーツ実施に消極的な方に対して楽しい試みが起こっています。2019年11月、福井県鯖江市役所JK課が、若い女性の運動離れ改善に取り組むスポーツ庁と連携して「お洒落でゆるい運動会」を開催。
楽しそうに体を動かしていた参加者からは「これもスポーツなの?」といった声も聞かれました。いったい「お洒落でゆるい運動会」とはどんなものだったのでしょうか。
JK(女子高生)たちが企画・運営
「お洒落でゆるい運動会」は、全国でまちづくりに携わる高校生が一堂に集う「全国高校生まちづくりサミット2019」(11月8日〜10日)の一環で開催されました。
1府8県12団体の計67人の高校生が参加。その企画・運営を行ったのが福井県「鯖江市役所JK課」の高校生たちです。
「JK」は「女子高生」の略称で、地元JKたちが中心となって自由にアイデアを出しあい、さまざまな市民・団体や地元企業、大学、地域メディアなどを巻き込みながら自分たちのまちを楽しくする企画や活動を続けています。
これもスポーツなんだと新しい発見だった
「お洒落でゆるい運動会」開催のきっかけは、若い女性のスポーツ参加促進に取り組むスポーツ庁が、2019年3月10日に鯖江市役所JK課を対象に行った「Myスポーツプログラム」のワークショップが始まりでした。
すきま時間やながらでできる「Myスポーツメニュー」を体験したJK課メンバーたちは、
「(競技スポーツばかりではなく)これもスポーツなんだと新しい発見だった」
「いろいろなメニューを体験したけど友だちと二人組で行ったメニューが楽しかった」
「体が硬くて大変だったけど、みんなで笑いながらできて良かった」
などの感想があがりました。
その後、3月18日にはスポーツ庁が女子高生が取り組みやすいスポーツ企画の提案や意見も取り入れたいと、鯖江市役所JK課のメンバー10名を招き、鈴木長官、藤江審議官と意見交換を行いました。
JK課メンバーにとってワークショップでの体験は刺激になったようで、どのようなスポーツだと取り組みやすいか、やってみたいスポーツ企画はあるかと尋ねられたところ、「自分たちであまり頑張らなくてもいい、ゆるくて楽しい運動会を地元の人たちを巻き込んで一緒にやってみたい」という意見があがるほどでした。
これまで運動やスポーツをテーマにした企画をやっていなかったというメンバーたちも、少し意識が変わったようでした。
チコちゃんも駆けつけた「お洒落でゆるい運動会」
「全国高校生まちづくりサミット2019」の2日目、11月9日に「お洒落でゆるい運動会」が行われました。オープニングには、スポーツ庁の女性スポーツアンバサダー「チコちゃん」も駆けつけ、準備運動として女性スポーツ促進キャンペーンオリジナルダンス「Like a Parade」をみんなで踊ってイベントを盛り上げました。
女性スポーツ促進キャンペーン オリジナルダンス「Like a Parade」(ライク・ア・パレード)
~学校で!職場で!ひとりでも?!楽しく体を動かそう~
https://sports.go.jp/movie/like-a-parade.html
その後、参加者たちは4チームに分かれてJK課メンバーが考案した6種目に挑戦。
例えば「パン食い競走」は、パンが吊るされた足もとには足つぼマットが敷かれ、一筋縄ではいきません。「何でもバスケット」は、ヨガのポーズを取り入れたルールになっていて、鬼役は片足立ちの「立ち木のポーズ」でお題を考え、競技者は椅子に座って足を宙に浮かす筋トレで出題を待ちます。
また、競技の中でも地元アピールは忘れません。
パン食い競争では地元で人気の「大福あんぱん」、あめ玉さがしでは鯖江の人気土産品「アメガネ」が使われました。
会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれ、参加者一同、大声をあげながら笑顔でスポーツを楽しんでいました。
まとめ
JK課メンバーをはじめ学生にとってスポーツは「体育」などのイメージが強く、特に女性はスポーツ実施に消極的になる傾向にあるのかもしれません。
しかし、ワークショップ「Myスポーツプログラム」を通じて、鯖江市役所JK課のメンバーたちは「スポーツって、みんなで一緒に体を動かして楽しめばいいんだ」とスポーツ本来の楽しさに気づき、自ら「お洒落でゆるい運動会」を企画、開催するまでに至りました。
また、「全国高校生まちづくりサミット2019」では、ハロウィンの仮装をして街中のゴミ拾いを行う「ピカピカプラン15」も行われました。
ルールを決めて、街の中を歩き回ってゴミを拾い、集めたゴミの重量を競う。これもまさに「スポーツ」。
ちょっとした工夫や、仲間が集まることで、スポーツを楽しめる機会になることを今回のイベントは教えてくれたのではないでしょうか。
●本記事は以下の資料を参照しています
スポーツ庁 - 平成30年度女性スポーツ推進事業(女性のスポーツ参加促進事業)参考資料集(2019-12-01閲覧)
スポーツ庁 - 平成30年度女性スポーツ推進事業(女性のスポーツ参加促進事業)報告書(PDF:2,365KB) (2019-12-01閲覧)
鯖江市役所JK課(2019-12-01閲覧)
鯖江市 - 「鯖江市役所JK課」が企画・運営「全国高校生まちづくりサミット2019」を開催しました!(2019-12-01閲覧)