部活動改革のさらなる推進に向けて~有識者会議の「最終とりまとめ」と産官学連携フォーラムの開催~

部活動改革のさらなる推進に向けて~有識者会議の「最終とりまとめ」と産官学連携フォーラムの開催~

文部科学省では、急激な少子化が進む中でも、将来にわたって子供たちがスポーツ活動に継続して親しむことができる機会を確保・充実させるため、部活動改革の取組を進めています。
令和8年度以降の部活動改革の方向性などについて、「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議(以下、「実行会議」という。)」において議論を行い、本年5月に会議の最終とりまとめを行いましたので、その概要を御紹介します。
また、2025年8月25日、26日に開催した「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた産官学連携フォーラム」の様子についても併せて御紹介します。

「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ

2024年8月にスポーツ庁・文化庁で設置した実行会議において、2026年度以降の部活動改革の方向性について議論をいただき、本年5月に最終とりまとめを行いました。

<概要>
●改革の理念等
・急激な少子化が進む中でも、将来にわたって生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保・充実
・地域クラブ活動においては、学校部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させつつ、新たな価値を創出
・質の担保等の観点から、国が地域クラブ活動の定義・要件等を示し、地方公共団体が認定を行う仕組みを構築
・改革の理念等をより的確に表すため、「地域移行」という名称は、「地域展開」に変更。
●次期改革期間
・休日:改革実行期間内に、原則、全ての学校部活動において地域展開の実現を目指す
・平日:各種課題を解決しつつ、更なる改革を推進
●費用負担の在り方
・地域の実情等に応じて安定的・継続的に取組が進められるよう、受益者負担と公的負担とのバランス等を検討
・公的負担については国・都道府県・市区町村で支え合うことが重要。国において受益者負担の目安等を示す
・経済的困窮世帯の生徒への支援は確実に措置。部活動指導員の配置についても一定の範囲で支援

(詳細は以下リンク先をご覧ください)
スポーツ庁 - 「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ

スポーツ庁・文化庁では、この最終とりまとめを受け、調査研究協力者会議において、地域クラブ活動の認定制度や費用負担の在り方、部活動改革に関する新たなガイドライン等に関する議論を行っており、本年冬頃には新たなガイドラインを策定の上、今後の部活動の地域展開等に関して、国としての方針をお示しする予定です。

部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた産官学連携フォーラムを開催

実行会議の最終とりまとめを踏まえ、国が先頭に立ち、関係団体と連携しながら、部活動改革の理念や進め方を広く情報発信していくこととしています。また、改革を円滑に進めていくためには、地方公共団体やスポーツ団体だけではなく、民間事業者や大学など幅広い関係者が連携・協働しながら取組を進めていく必要があります。
この一環として、令和 7年8月 25 日、26 日に「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた産官学連携フォーラム」を開催しました。
本フォーラムでは、改革の理念や基本的な考え方、取組事例等の情報発信・情報共有を図るとともに、地方自治体と民間事業者、大学等とのマッチングの場を提供しました。また、室伏前スポーツ庁長官による基調講演や、産業界、スポーツ界、行政、大学等の各分野の有識者が登壇し、それぞれの立場から「地域クラブ活動が目指すべき姿」、「地域全体で連携して行う部活動改革」について、パネルディスカッションを行いました。

各分野の有識者による部活動改革のパネルディスカッション

室伏前長官の基調講演では、「子供たちのための部活動改革~産官学の連携を通して~」をテーマに、地域クラブ活動において創出する「新たな価値」について共有するとともに、企業や大学など、幅広い関係者が連携して、部活動改革を進めていく必要があることを伝えました。

パネルディスカッションの様子1

基調講演に続いて各分野の有識者によるパネルディスカッションが行われました。

《登壇者》(敬称略)
●パネリスト
室伏広治(前スポーツ庁長官)
栗山英樹(北海道日本ハムファイターズ チーフ・ベースボール・オフィサー)
小路明善(アサヒグループホールディングス株式会社会長)
代田昭久(一般社団法人 未来地図 代表理事)
原晋(青山学院大学駅伝部監督)
益子直美(日本スポーツ少年団本部長)
●ファシリテーター
友添秀則(環太平洋大学大学院スポーツ科学研究科教授)

パネルディスカッションは2つのセッションに分かれて行われました。
セッション1:これからの地域クラブ活動に期待される役割や意義とは?
セッション2:関係者がそれぞれどのような役割を担い、どのように連携することで相乗効果を生み出していけるか?

産業界、スポーツ界、行政、大学等の各分野の立場から、部活動の地域展開について多くの意見が述べられました。子供たちの主体性を尊重した指導者の育成、また、地域の特色を生かした豊かな学びの機会の創出など、産官学が連携し、地域全体で子供たちを育てる意識を醸成することの重要性が語られました。

パネルディスカッションの様子2

パネルディスカッションの様子3

全国から関係者が集う活発な情報交換の場に

その他、本フォーラムでは、地方自治体と民間企業、大学等とのマッチングフェアや、地方自治体、スポーツ団体らによる取組事例の発表、地方自治体担当者向けのワークショップなどを開催し、部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた活発な情報交換が行われました。
地方自治体からは、富山県、岐阜県、福岡県の3県が事例発表を行い、ワークショップでは、人口規模や地域特性等に応じてグループ分けを行い、テーマを選定して課題の整理や解決策の検討を行いました。各グループでは、活発な意見交換が展開されました。各参加者から部活動地域展開にかける熱意が伝わってきた2日間でした。

パネルディスカッションの様子4

パネルディスカッションの様子5

まとめ

スポーツ庁は、幅広い関係者からの御協力もいただきながら、子供たちの多様なスポーツ体験の機会を確保・充実できるよう、部活動の地域展開等の全国的な実施を進めていきます。

●本記事は以下の資料を参照しています

スポーツ庁 - 部活動改革ポータルサイト(2025-10-01閲覧)
スポーツ庁 - 「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ(2025-10-01閲覧)
スポーツ庁 - 【イベントレポート】急激な少子化が進む中、部活動の未来を考える「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進に向けた産官学連携フォーラム」8月25日(月)、26日(火)開催(2025-10-01閲覧)

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