U-SPORT PROJECTのコンソーシアム創設〜関係団体が連携してパラスポーツの環境づくりを!〜

U-SPORT PROJECTのコンソーシアム創設〜関係団体が連携してパラスポーツの環境づくりを!〜

スポーツ庁では、パラスポーツ団体、民間企業、地方公共団体等がパラスポーツに係る新たな取組を創出する連携基盤とするため、「U-SPORT PROJECTコンソーシアム」を立ち上げ、2024年10月1日より加盟団体の募集を開始しました。U-SPORT PROJECTとは何か、またコンソーシアムの意義について説明いたします。

U-SPORT PROJECTとは何か?

「U-SPORT PROJECT」は、スポーツ庁が実施するパラスポーツを推進するプロジェクトで、「Universalスポーツの力で、U=あなたの力で、Universal社会へ」という願いが込められています。本プロジェクトでは、スポーツを通じた共生社会の実現に向け、障害のある方とない方が身近な場所でスポーツをともに実施できる環境の整備や、パラスポーツ団体、民間企業・地方公共団体等の関係団体の連携体制の構築等を促進していくことを目指しています。

U-SPORT PROJECTコンソーシアム:図

コンソーシアム会員同士の横連携で新たなアイデア創出を!

2024年10月1日、パラスポーツ団体、民間企業、地方公共団体等がパラスポーツに係る新たな取組を創出する連携基盤となる「U-SPORT PROJECTコンソーシアム」を立ち上げ、加盟団体の募集を開始しました。

スポーツ庁では、これまでも、パラスポーツに取り組む団体のモデルとなるような取組の創出を目指し、「障害者スポーツ推進プロジェクト(障害者スポーツの実施環境の整備等に向けたモデル創出事業)」を通じて、ユニバーサル、インクルーシブなスポーツ環境の整備を行う事業を推進してきました。

今回新たに立ち上げたU-SPORT PROJECTコンソーシアムでは、パラスポーツに関する取組をより一層広げるため、パラスポーツ団体、民間企業、地方公共団体等、複数のコンソーシアム加盟団体同士がワーキンググループに参加し連携する仕組みとなっています。各団体の交流による情報共有や、各団体の持つ“強み”を生かした、スポーツを通じた共生社会の実現に向けた新たなアイデアの創出などが期待されています。

コンソーシアムの活動と狙い/コンソーシアム加盟のメリット:図

コンソーシアムが目指す、障害者スポーツ推進に取り組むモデル事業

コンソーシアム立ち上げに先駆けて、令和6年度「障害者スポーツ推進プロジェクト」では、さまざまな事業者によるモデル事業を実施しています。今後、U-SPORT PROJECTコンソーシアムで行われる事業の参考となるのがモデル事業です。

令和6年度のモデル事業では、4つのテーマを設け、以下の11団体を採択しました。

採択団体
※テーマごと順不同
事業テーマ
長瀬産業株式会社 企業と競技団体による障害者スポーツ大会や
特別支援学校等が参加する全国大会、
インクルーシブなスポーツ大会の整備
株式会社NHKエンタープライズ
一般社団法人日本ボッチャ協会
一般社団法人アンリミテッド事業推進協会
高知県
学校法人電子学園 デジタル技術を活用した障害者スポーツ実施環境の整備
北海道 オープンスペースを活用したインクルーシブなスポーツ実施環境の整備
公益社団法人広島県パラスポーツ協会
一般社団法人ミニらいとモルック協会
一般社団法人チームアダプテーション 地域の課題に対応した障害者に対するスポーツの振興、実施環境の整備
岩手県

事業テーマの1つである「企業と競技団体による障害者スポーツ大会や特別支援学校等が参加する全国大会、インクルーシブなスポーツ大会の整備」において、委託事業者にインクルーシブなスポーツ大会を開催することについての思いを伺いました。

●大会を継続していくなかで、参加するアスリートや運営スタッフ・ボランティアの方などの変化や、大会としての「気づき」はありましたか?

アスリートにつきましては、パラアスリートと健常アスリートが同じ競技の場で共に競い合うことで、記録が出やすくなり、互いに刺激を受ける機会が増えていると感じます。障害のある方とない方に関わらず技術や戦略を学び合い、成長にも繋がる場になればと考えています。

大会を支えてくれる運営スタッフ・ボランティアの方は、一般のアスリートやパラアスリート、聴覚障害、子供など、さまざまなアスリートと接することで、多様性への理解を深める体験に繋がっていると感じます。例えば、腕に障害があるアスリートにはどのように水を渡すのか、聴覚に障害のあるアスリートをどのように案内するかといったことから、「インクルーシブ」に繋がる気づきが得られていると感じています。スタッフに限らずアスリート同士でもこのような交流が進むことで、より一層インクルーシブな環境が生まれることを期待しています。

●インクルーシブスポーツが普及していくための課題、大会の展望について教えてください。

“誰もが参加できる大会”だからこそ、アスリートや運営スタッフ、観客など全ての人がインクルーシブや多様性への理解を深めることが必要だと考えています。そのために、インクルーシブについて考えるきっかけの場(SNSなどでの情報発信や体験イベントの実施など)づくりに取り組んでまいります。

今後、地域コミュニティや企業とのコラボレーションをさらに活発に行っていきたいです。地域の学校やコミュニティと連携し、アスリートのみならず観客としても、積極的に大会に参加いただきたいと考えています。また、大会コンセプトに共感いただける企業とのコラボレーションにより、「インクルーシブの輪」を拡げ、より魅力的で持続可能な大会運営を実現したいです。

経営支援EXPO2024の様子:イメージ

まとめ

東京2020パラリンピック競技大会により、スポーツを通じた共生社会の実現に向けた機運が醸成されました。U-SPORT PROJECTコンソーシアムは、SDGsが企業と連携しはじめたことで花開いたように、社会価値とビジネス価値が織り混ざりながら、パラスポーツ団体、民間企業・地方公共団体等の関係団体が連携できる“場”となり、パラスポーツのあり方を変えていく可能性を広げます。ぜひ、コンソーシアムに参加して、パラスポーツを通じた新たな価値の創造を行ってみませんか。

●本記事は以下の資料を参照しています

U-SPORT PROJECT(2024-11-01閲覧)
NAGASE CUP(2024-11-01閲覧)

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