誰もが自分らしく輝ける“新しい”大会〜「SAGA2024 全国障害者スポーツ大会」~

誰もが自分らしく輝ける“新しい”大会〜「SAGA2024 全国障害者スポーツ大会」~

2024年10月26日〜28日の3日間にかけて、「SAGA2024全国障害者スポーツ大会(以下、全障スポ)」が開催されました。正式競技14競技(個人競技7/団体競技7)、オープン競技8競技に全国から47都道府県と20政令指定都市から選手、役員ら約6,000人が参加し、選手のほか、大会運営関係者、ボランティアら数多くの人々が大会をささえていました。
本大会では今回から「国民体育大会」から名称変更を行った「国民スポーツ大会(以下、国スポ)」同様に新たな取組が導入されました。これまでの大会との違いを中心に「SAGA2024全障スポ」の様子をご紹介いたします。

全国障害者スポーツ大会とは

「全国障害者スポーツ大会」とは、障害のある選手がスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害のある人の社会参加を推進することを目的とした障害者スポーツの全国的な祭典です。1965年に「全国身体障害者スポーツ大会」としてはじまり、1992年に「全国知的障害者スポーツ大会」と統合して現在の大会形式となりました。国民体育大会終了後に、同じ開催地で行われています。

全障スポは、国スポ(開催期間:2024年10月5日~15日)からバトンを受け取り、10月26日、秋篠宮皇嗣同妃両殿下ご臨席の下、開会式が行われました。パレードのように入場してくる都道府県・政令指定都市の役員・選手団を、観客や約1,000人のパフォーマーが声援と手拍子であたたかく出迎えました。

全国障害者スポーツ大会:イメージ1

大会期間中は、ボッチャや車いすバスケットボールなど14の正式競技が佐賀県内の11市町で行われました。連日、各会場とも熱戦が繰り広げられ、数々の大会新記録が生まれました。

全国障害者スポーツ大会:イメージ2

全国障害者スポーツ大会:イメージ3

全国障害者スポーツ大会:イメージ4

「する」「みる」「ささえる」、それぞれの人が誇りを持てる大会に

SAGA2024では、メインメッセージ「新しい大会へ。すべての人に、スポーツのチカラを。」のとおり、全障スポ、国スポともに「する」「みる」「ささえる」の視点から、新しい取組が取り入れられました。

活躍した選手や伴走者等を称える表彰

これまで都道府県や都市など「団体」対抗といった色合いの強かった大会でしたが、本大会では活躍した選手「個人」に対してもスポットを当てる取組が特徴といえます。新記録、最高得点など、選手個人の活躍にスポットを当て、栄誉を称える表彰制度「The Good Player of SAGA2024」が創設され、みる人の心を揺さぶる選手たちのプレーやパフォーマンスを称えました。
障害者スポーツには多くの「ささえる」人たちがいますが、なかには選手と共に練習を重ね、競技をサポートする「相棒」のような方も存在します。全障スポでは、選手と共に競技に取り組む陸上競技の伴走者やボッチャのランプオペレーターにも選手と同様にメダルが贈られました。この表彰は次大会以降も引き継がれます。

活躍した選手や伴走者等を称える表彰:イメージ

多くの人に応援してもらえる環境づくり

スポーツを「みる」環境も大切です。観戦したいのに時間帯が合わずに諦めてしまうようなこともあります。本大会では一部の競技において、昼間帯だけではなく、これまでにはなかった「ナイトゲーム」を実施。仕事帰りでも会場で競技を観られるようになりました。選手も観客も日中の試合とは異なる雰囲気を楽しみました。
また動画配信を充実させた点も「みる」人を考えた取組のひとつです。これまでの国スポでも動画配信はありましたが、配信数を約3倍に充実させました。また、SAGA2024では初の取組として全障スポでの動画配信を行いました。全国から各競技会を動画で応援できる大会となりました。

エンターテイメント性を高める屋内会場での閉会式

10月28日の閉会式は国スポと同じく多目的屋内施設「SAGAアリーナ」で行われました。音響やライティング、映像などエンターテイメント性を高めた演出は、大会参加の思い出をさらなる感動で包まれ、特に、SAGA2024イメージソング『Batons』のライブパフォーマンスでは、観客・選手団が自然にスマホライトで呼応するなど、大会のフィナーレを彩りました。
アリーナでは、聴覚や視覚に障害のある人に配慮した工夫が多くみられました。天井の大型ビジョンをはじめ四方に映像モニターが複数配置されており、聴覚に障害のある人への配慮として、文字情報や手話などがリアルタイムに映し出されました。またクリアな音声により、視覚に障害のある人への配慮など、多くの工夫がみられ、障害の有無に関わらず情報が伝わりやすい空間となっていました。

閉会式会場のSAGAアリーナ:イメージ閉会式会場のSAGAアリーナ

(左)佐賀県選手団入場(右)観客と一体となったパフォーマンス:イメージ(左)佐賀県選手団入場(右)観客と一体となったパフォーマンス

(左)挨拶を行う室伏長官、(右)大会旗引継を行った佐賀県・山口知事と滋賀県・三日月知事:イメージ(左)挨拶を行う室伏長官、(右)大会旗引継を行った佐賀県・山口知事と滋賀県・三日月知事

光と音によって演出された炬火納火:イメージ光と音によって演出された炬火納火

まとめ

SAGA2024全障スポ、国スポ共に「新しい大会」を印象付ける取組が数多く行われていました。障害者スポーツにとって「ささえる」人の存在は大きく、とくに全障スポでは県全体で大会を支える姿勢が現れていました。室伏長官が閉会式の挨拶で述べた「本大会は、スポーツの持つ力、人間の持つ可能性を感じさせ、観る者を勇気づけるものとなりました」という言葉のとおり、障害者スポーツおよび新たなスポーツ大会の可能性が見えてきた大会だったのではないでしょうか。
スポーツ庁では、障害の有無に関わらず、すべての人が個々の力を発揮できる、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて推進していきます。

●本記事は以下の資料を参照しています

SAGA2024 国スポ・全障スポ(2024-12-01閲覧)

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