子どもから高齢者まで、誰でもできる新しいスポーツのカタチ ―紙風船エクササイズのすすめ

スポーツ庁では、目的を持った運動・スポーツを推進し、性別、年齢、障害の有無等にかかわらず多様な人々の運動・スポーツを通じた“ライフパフォーマンス”の向上を目指しています。そして「ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進」の実施に向けた取組を進めております。
体を動かす「楽しみ」「喜び」を感じる
スポーツというと勝敗や記録など“競技スポーツ”を思い浮かべ、苦手意識や敷居の高さを感じてしまう方も多いかもしれません。しかし、スポーツは結果だけではなく、挑戦する喜びや仲間との協力、そして、その過程から学び、心身を成長させる“豊かな人生”を経験できる場でもあります。
“紙風船エクササイズ”とは
スポーツ庁では、子供から高齢の方まで、誰もが安全に楽しめる全身運動プログラムとして「紙風船エクササイズ」を普及しています。特別授業として訪問した小中学校や、2025年大阪・関西万博をはじめとするイベント等で実演・指導しました。このエクササイズの方法は、スポーツ庁のサイトでも動画で紹介しています。
エクササイズは、軽くてつぶれやすい紙風船を“つぶさないように押す”ことで、押そうとした力が自分に返ってくる原理を活かしています。紙風船をつぶさないように意識するため、トレーニングをしている筋肉などへの過度な意識がなくなり、身体を忘れるような感覚で力みすぎずにトレーニングができます。関節にも負担がかからず、子供から高齢の方まで安全に行えるのも特長です。紙風船エクササイズの実証研究において、従来のウエイトトレーニングと同等、あるいはそれ以上に体幹などの筋活動を高めることが示されています。

やってみよう! 紙風船エクササイズ!
関節に負担をかけずに低い負荷で、体の使い方を効果的に学習できる紙風船エクササイズ。紙風船エクササイズの基本的な動きをイラストでご紹介します。このエクササイズは、年齢や性別、体力に関係なく気軽に取り組むことができて、トップアスリートの準備運動や体づくりにも取り入れられています。
ぜひとも紙風船をつぶさないように押しながら、イラストのように、「上下」、「伸ばす-縮む」など、いろいろな動きを組み合わせてやってみましょう。
(イラスト提供:情報誌「Recrew」/公益財団法人 日本レクリエーション協会 発行)


イラストでは、1人で行える紙風船エクササイズを紹介しましたが、下記の写真ように、家族や仲間たちと一緒にペアやグループでも実施ができます。複数人で取り組む場合は、紙風船を潰さないように、自分と相手の双方の動きを感じ取ることが必要で、協調性やチームワークを育むと同時に、コミュニケーションの活性化にもつながります。
紙風船エクササイズは、場所を選ばず、すべての人が安全に楽しみながら取り組むことができます。身体をバランスよく効果的に鍛えることができるので、ぜひ、日々の運動・スポーツなどに取り入れてみてください。

ライフパフォーマンスの向上で健康で充実した暮らしを!
ご紹介した紙風船エクササイズは、楽しみ・健康増進・仲間との交流を行いながら体を動かすため、ライフパフォーマンスの向上にもつながります。
ライフパフォーマンスは、例えば、働く世代や子育て世代であれば、元気に通勤し、家事・育児をスムーズに行うことができ、仕事と家事を両立し、人間関係の構築を図りながら活躍し続けることができる能力。高齢の方であれば、寝たきりにならず、家事や外出、さらには地域ボランティアや就労など社会参画をすることができるなど、生活活動の機会を維持・向上できる能力です。健康の保持増進はもとよりQOL(Quality of Life,生活の質)を高めることなど、生きがいのある充実した生活を送ることに寄与できます。
まとめ
人生100年時代も間近とされる今、高齢者から若者まで、誰もが心身ともに健康で持続的に参加できる環境づくりが求められています。スポーツ庁では、「ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの実施」に係る取組を通じて、誰もが運動・スポーツを気軽に楽しめ、それぞれが目的を持った運動・スポーツ(エクササイズ等)を行える環境整備を続けていきます。今回、ご紹介した紙風船エクササイズは、気軽に楽しみながら体を動かせるスポーツですので、ぜひ、生活の中に取り入れてみてください。
●本記事は以下の資料を参照しています
スポーツ庁 - Sport in Life 〜目的を持った運動・スポーツでライフパフォーマンスの向上を!〜(2025-10-01閲覧)
スポーツ庁 - 現場レポート!室伏長官による熊本の小学校で紙風船を使った特別授業!(2025-10-01閲覧)



