女性もスポーツを楽しもう!!~女性のスポーツ参加をサポートする充実した環境~
運動不足を感じている成人男女は多くいますが、男性に比べて女性の方が高く、スポーツ実施率も男性に比べて女性は低い状況です。運動は好きでも、「仕事や家事が忙しい」「面倒くさい」「恥ずかしい」など、理由は様々ですが、なかなかスポーツをはじめるきっかけがつかめないようです。そうした女性の声に応えた新しいプログラムが充実してきています。
運動やスポーツはしたいけど…
スポーツ庁の2018年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、約8割が運動不足を「感じる」といいます。その割合は、性別で見ると、男性より女性の方が高く、年代別に見ると、30代~40代で運動不足を「感じる」とする割合が高い傾向です。
同調査の「スポーツの実施阻害要因①頻度減・増やせない(増やさない)理由」を見ると、スポーツ実施を阻害する理由として、「仕事や家事が忙しいから」45.1%、「面倒くさいから」28.4%があげられ、特に20〜40代の男女の値が高くなっています。
世代やライフスタイルにより障壁(バリア)が存在するようですが、女性だけで見ると「子どもに手がかかるから」をあげるのは、20代で25.8%、30代で44.4%と多く、運動不足を感じながらも、仕事や家事、子育てに追われ、運動やスポーツに時間を割くゆとりがないことが浮かび上がってきます。
また、スポーツに対して強いニーズがない女性のなかには、「スポーツ以外の楽しいことを優先してしまう」「すっぴんになることへ抵抗がある」といった声もあります。
女性のニーズに応え、増えてきた選択肢
この1年間に行った運動やスポーツで多かった種目は、「ウォーキング」(62.1%)が最も高く、次いで「階段昇降」(16.0%)、「トレーニング」(15.4%)、「体操」(15.4%)の順。性別で見ると男性は「ランニング・マラソン・駅伝」、女性は「エアロビクス・ヨガ」の割合が高くなっています。
運動を行う場所としては、「道路」をあげる人が男女ともに最も多く、女性だけでみても48.9%。次いで、「自宅または自宅敷地内」(31.1%)、「公園」(23.2%)があげられます。「すき間時間」を見つけながら自宅や職場の近くで運動を行っている人が多いようです。
一方、「民間商業インドア施設(フィットネスクラブ、ジム等)」女性利用者の割合は18.0%。年代別でみると20代女性の割合が高いのが特長です。
近年では、立地面でも沿線の駅前や大きな駐車場を完備した店舗、24時間利用可能なジムが多く、生活圏内にいつでも好きなときに利用できるジムが増えています。
また、女性専用のスタジオ、女性専用エリアの設置やプログラム数を絞った初心者向けのジムなど、女性の利用を促す民間の会員制スポーツジムも増えています。これらのジムは、「化粧直しをするのが面倒」「汗で化粧が落ちるのがイヤ」という女性にとってもスポーツをはじめるきっかけとなるハードルは下がってきています。
多様化するブティックタイプのスポーツジム
会員制スポーツジムの動向について、一般社団法人 日本フィットネス産業協会にお話をお聴きしました。
いま「ブティックタイプ」と呼ばれる特定のトレーニングに特化した小規模の専門ジムが増えており、ここ1〜2年、「ヨガ」「ホットヨガ」などのグループエクササイズに通う女性が増えているとのこと。
「ヨガ」のほかにも、女性に人気を集めているのが、トランポリン、ピラティス、サーフエクササイズなど多彩なトレーニングです。なかには東京2020大会から正式種目となった空手道の形を取り入れたフィットネスも登場。暗闇フィットネスなどのような、「汗でメイクが崩れるのを見られたくない」「すっぴん」になることへの抵抗のある人でも、人の目を気にしないでできるプログラムも増えてきています。
また、女性には楽しく体を動かせるダンスも人気で、フラ、ヒップホップ、コントーション、バーレスクなどのダンス教室や講習会なども多く、スポーツをはじめるきっかけは増えています。
先日9月2日(月)、健康増進普及月間にあたり、厚生労働省とスポーツ庁が連携したイベント「スマートライフフェスタ」が横浜スタジアムで開催されました。1,000人近くが芝の上で心地よい風を感じながら「ナイトヨガ」を楽しみました。運動やスポーツを始める機会は、たくさんあるので、興味があったら、まずは参加することから始めてみませんか。
まとめ
ライフスタイルを見直すと、意外と運動やスポーツをする時間がみつかるかもしれません。運動やスポーツが苦手という人でも、10分間ウォーキングや室内での体操など、「すき間時間」を使って、家事をやりながら、テレビを見ながらの「ながら運動」から始めてみませんか。体を動かしたいと思ったら、まずは行動してみましょう。
また、女性が楽しめるスポーツイベントも増えています。参加してみると意外と自分にあったスポーツが見つかるかもしれません。さらに、女性専用の施設や設備が整った多様なジムも増えています。もっとスポーツを楽しみたいという人は、自分の興味にあったスポーツジムを利用することもおすすめです。
前述の一般社団法人 日本フィットネス産業協会に、ジム通いを続けるコツについて尋ねてみたところ、「習慣づける」ことが大切だそうです。初めたばかりのときは、少し遠い場所や無理した時間帯でも通えますが、運動する習慣が身についていないと、時間とともに面倒くさいと感じてしまう人も多いようです。逆に運動する習慣が身についた人は、多少不便な条件でも継続する傾向にあるといいます。
まずは自分のライフスタイルに合った無理のないかたちで、体を動かす習慣づくりからスタートし、生活の中にスポーツを取り入れることで、心身ともに健康で充足感のある暮らしをめざしましょう。
●本記事は以下の資料を参照しています
スポーツ庁 平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(平成31年1月調査)(2019-10-01閲覧)
スポーツ庁 スポーツを通じた女性の活躍促進について(2019-10-01閲覧)
一般社団法人 日本フィットネス産業協会(2019-10-01閲覧)
厚生労働省 - 「スマート・ライフ・プロジェクト ナイトヨガ」(2019-10-01閲覧)