大学スポーツの“チカラ”で、地域社会を笑顔に!

大学スポーツの“チカラ”で、地域社会を笑顔に!

スポーツ庁では、大学がスポーツを通じて地域社会の発展に寄与する活動「感動する大学スポーツ総合支援事業」に取り組んでいます。大学スポーツの競技力向上だけにとどまらず、大学スポーツを通じた社会的人材の育成や、スポーツの価値・効用を高めることを目的に実施しています。今回、感動する大学スポーツ総合支援事業について、立命館大学の事例を取り上げながらご紹介いたします。

感動する大学スポーツ総合支援事業とは?

「大学スポーツ」は、一部の学生アスリートにとってのみ重要なものではなく、多くの学生が大学スポーツを通じ社会的人材の育成といったスポーツの価値・効用を得ることができる貴重なものです。大学は、人材、施設、知識などの素晴らしいスポーツ資源を有し、大学スポーツを通じて地域社会の発展を支える存在として地域で重要な地位を占めています。
本事業は、「感動する大学スポーツ」の実現を目指すため、「大学スポーツ自体の振興」と「大学スポーツによる地域振興」とを総合的に支援し、その成果を広く提供。また、指導員の養成・確保を通じて地域スポーツクラブ活動に貢献することにより、大学スポーツに取り組む学生や大学を総合的に支援する事業です。

事業は、委託先である一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が募集を行い、以下、3つのテーマに分けて大学を選定しています。

①大学スポーツムーブメントモデル創出支援事業
②大学生指導員の養成・確保に関する実証事業
③大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業

令和6(2024)年度は、有識者による審査委員会の結果、3事業合計18大学を選定しました。

立命館大学によるスポーツ推進と多世代間交流のウェルビーイングな取組

事業内容について、「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」に選定された大学の一つである立命館大学の事例をご紹介します。立命館大学は昨年度に続き同事業に取り組んでいます。

【事業名】
立命館大学による「びわこ・くさつ Well-beingコンソーシアム」×「多様な学生参画プロジェクト」を通じた地域のスポーツ推進ならびに多世代が交流できる健康コミュニティ創出モデル事業

立命館大学びわこ・くさつキャンパス(以下、BKC)を拠点に、大学が有するスポーツ資源(設備・人材・知識など)を地域課題の解決、健康増進・コミュニティ創出といった地域全体のWell-being推進に向けて、草津市や地元関連団体と、産官学民連携による「びわこ・くさつ Well-beingコンソーシアム」を形成。自走しながら地域全体のスポーツ・健康を取り巻く課題を引き続き解決することを目指す事業です。

事業では、以下のプログラムが行われました。

①立命館スポーツアカデミーの展開
②BKCウェルカムデー2024において多世代交流型スポーツ・健康施策の実施
③立命館Well-beingプログラムの実施
④スポーツ応援キャンペーン

キャンパスを地域に開放『BKCウェルカムデー2024』

2024年11月10日(日)、『BKCウェルカムデー~びわこ・くさつ健幸フェスタ2024~』を開催。地域交流を目的に、地域住民、企業・行政・学生・教職員が集い、ウェルビーイングを感じる体験イベントで、地域住民を中心に約1万4000人もの幅広い世代の方々が来場しました。広大なキャンパスでは、大学の施設をはじめ、屋外にも地域の特産物販売所やキッチンカー、イベントスペースなど、168の企画が出展されました。

校内の陸上競技場では、立命館大学の現役陸上選手やコーチが教える子供かけっこ教室やインクルーシブスポーツ体験、マインドフルネスピラティスなどを実施。屋内温水プールでは、「飛込競技体験教室」が行われ、参加した子供たちは、マット運動や水中でのアクロバティックな動きの指導を受け、飛び込みの魅力を体験しました。

多くのファミリー層を中心とした延べ7,000人の地域住民の方々は、イベントを通じて大学のスポーツ資源を活かした運動・スポーツ体験により、スポーツをする楽しさや身体を動かす楽しさが体験できました。大学では、今後もキャンパス施設を利用し、地域に開かれた取組を継続して実施する予定です。

子供かけっこ教室、飛込競技体験教室:イメージ

大学スポーツの応援文化を醸成する『Re/LIVE』HomeGame

大学スポーツの振興に欠かせないのは、多くの方々のスポーツへの関心を高めることです。立命館大学では、学生が主体となり、スポーツのホームゲームを応援するイベント『Re/LIVE』HomeGameを開催しました。
5月のラグビー部の他校対戦では、多くの学生や地域の方がスタジアムに集まり、熱気あふれる応援が繰り広げられました。試合前には、「立命館大学GENKIラグビーアカデミー」が開催され、約30名の小中学生が大学生と交流しながらラグビーを楽しみました。地域の子供たちにラグビーへの興味を持ってもらう貴重な機会となりました。
6月のアメリカンフットボール部の試合では、イベント会場に5,500名が集まり、学生団体のブースや新入生の出展、チアリーディング部の応援パフォーマンス、スポーツ体験ブースなど、多彩な70企画で会場が盛り上がりました。

『Re/LIVE』HomeGameは、試合観戦だけでなく、観客も体験・参加できるイベントとして、学生が主体となって企画・運営することで、学生自身が大学スポーツの応援文化を醸成し、地域社会とのつながりを深める場となりました。

『Re/LIVE』HomeGame:イメージ

まとめ

2024年度「感動する大学スポーツ総合支援事業」では、18大学がさまざまな事業に取り組んでいます。大学スポーツは、単なる「競技」だけにとどまらず、教育、文化、地域振興、国際交流、経済成長など、幅広い分野で社会に貢献する可能性を秘めています。スポーツ庁では、今後も大学スポーツの可能性を最大限に引き出せるような施策に取り組んでまいります。

●本記事は以下の資料を参照しています

スポーツ庁 - 令和6年度「感動する大学スポーツ総合支援事業」において3事業合計18大学を選定しました(2024-12-01閲覧)
スポーツ庁 - 令和6年度「感動する大学スポーツ総合支援事業」の公募について(2024-12-01閲覧)
立命館大学 - BKCウェルカムデー(2024-12-01閲覧)
立命館大学 - BKCウェルカムデー~びわこ・くさつ健幸フェスタ2024~を開催(2024-12-01閲覧)
立命館大学 - BKC30周年記念イベント『Re/LIVE』‐学生がつくるホームゲームがBKCを熱狂の渦に(2024-12-01閲覧)

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