スポーツ庁がモータースポーツと連携?!
(写真)SOIP成果発表会におけるJAF担当者との記念撮影
スポーツ庁では、多面にわたる“スポーツの価値”を高めるため、社会の変化や状況に応じて、既存の仕組みにとらわれずに柔軟に対応すべく取り組んできました。そうした取組のひとつに、スポーツ界と他産業界が連携することで、新たなサービスが創出される社会の実現を目指す「スポーツオープンイノベーションプラットフォーム(以下、SOIP)」があります。
2023年度、SOIPの推進を目的としたプログラム「SPORTS INNOVATION STUDIO」にて、四輪モータースポーツ統括団体として、日本で行われるさまざまなモータースポーツ競技会の公認やライセンスの発給などを行っている一般社団法人日本自動車連盟(以下、JAF)が選ばれ、他産業の企業と事業共創を行いました。これまで、「モータースポーツ」のことは、デポルターレでも取り上げておらず、今回初めてモータースポーツとスポーツの関連性などについて考察してみます。
モータースポーツとは?
モータースポーツは、エンジンやモーターを搭載した四輪車や二輪車等で行われる速さや技術などを競い合うスポーツの総称で、フォーミュラカーレース、ツーリングカーレース、オートバイレース、ラリーなど様々な競技があり、サーキットや公道、オフロードなどで行われます。
モータースポーツとスポーツ
クルマやオートバイを使用する競技のため、「スポーツ」と捉えにくいという方も多いかもしれません。そこで、モータースポーツの特徴や他のスポーツ競技との共通項などについて、いくつか挙げてみます。
- ①競技性と戦略性
- モータースポーツは速さ以外にもドライバーやライダーの戦略や技術が問われます。勝利を目指すためには緻密な戦略や計画が必要な競技です。
- ②フィジカル
- ドライバーやライダーには高い身体性と反射神経が求められます。クルマやオートバイの挙動に対応し、コントロールするには優れたフィジカルが必要です。
- ③団体競技
- レースはドライバーやライダーだけでなく、監督やメカニック、エンジニアなどのチームメンバーの役割も重要です。チームが協力して勝利を目指す団体競技でもあります。
このほかにも「技術革新」によって競技が進化していく点でも、他のスポーツ競技と共通点があります。
全日本スーパーフォーミュラ選手権
国内の若年層へモータースポーツの魅力を拡散
今回、2023年度「SPORTS INNOVATION STUDIO」のコラボレーションパートナーに選ばれたJAFが、他産業と事業共創を行うことに至った理由のひとつが、「モータースポーツ競技のファン層拡大」です。海外では熱烈なファン層に支持されているモータースポーツですが、日本では必ずしも海外ほどの人気には至っていない現状があります。80〜90年代には国内でもF1が一大ブームを巻き起こしましたが、近年、若年層からの関心が薄れてきています。JAFは「若年層へのリーチが足りておらず、若者の車離れが進んでいる」という課題解決に向けて、今回の取組に参加しました。
またモータースポーツを語る上で、日本企業の活躍も忘れてはいけません。長年、日本の自動車メーカー、タイヤなどの関連企業がモータースポーツの発展に寄与してきました。モータースポーツを盛り上げることは国内の関連産業を活性化し、スポーツ市場規模の拡大にもつながるのです。
ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 第7戦 S耐ファイナル富士4時間レース
まとめ
スポーツ分野の1つでありながら、あまりスポーツとしての文脈で語られることが少ないモータースポーツですが、スポーツの多様性や可能性を広げるうえで、大きなポテンシャルを持った競技ではないかと考えています。これまでにも室伏長官がF1やMotoGP、スーパー耐久レースの視察を行うなど、競技の振興やスポーツ産業の拡大に向けた連携が始まりつつあり、今後更なる取組が進んでいくかもしれません。
●本記事は以下の資料を参照しています
オープンイノベーション | SPORTS INNOVATION STUDIO(2024-02-01閲覧)
「SPORTS INNOVATION STUDIO オープンイノベーション」採択企業、決定!(PR TIMES)(2024-02-01閲覧)