スポーツの成長産業化に向けて、スタジアム・アリーナ改革の選定拠点を表彰
スポーツ庁および経済産業省では、まちづくりや地域活性化の核となるスタジアム・アリーナの実現を目指す「スタジアム・アリーナ改革」に取り組んでおり、2025年までに20拠点を実現することとしています。この度、モデルとなる対象施設の第1弾として、「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」が選定されました。今回、この選定された拠点を対象に選定表彰式が行われましたのでその模様をお伝えします。
スタジアム・アリーナ改革で「スポーツの成長産業化」へ
スタジアム・アリーナ改革は、従来のスポーツ施設に対する固定観念から脱去し、「スポーツの成長産業化」の大きな柱として期待されています。飲食や観光などの周辺産業も巻き込み、官民による新しい公益の発現を促し、地域活性化、まちづくりの核となります。今後、スタジアム・アリーナは、周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機能を組み合わせた多様な世代が集う交流施設として期待されています。
「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」選定
スタジアム・アリーナ改革推進事業では、2025年までに20拠点を実現することとしています。この度、モデルとなる対象施設の第1弾が選定されました。選ばれたのは以下の11施設です。
「運営・管理段階」又は「設計・建設段階」の施設
- ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO)【北海道北広島市】
- FLAT HACHINOHE【青森県八戸市】
- 横浜文化体育館再整備事業【神奈川県横浜市】
- ヨドコウ桜スタジアム(長居球技場)【大阪府大阪市】
- 東大阪市花園ラグビー場【大阪府東大阪市】
- ノエビアスタジアム神戸(神戸市御崎公園球技場)【兵庫県神戸市】
- FC今治里山スタジアム【愛媛県今治市】
- ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)【福岡県北九州市】
- SAGAアリーナ【佐賀県佐賀市】
「構想・計画段階」の施設
- シーホース三河 新ホームアリーナ検討計画【愛知県安城市】
- 長崎スタジアムシティプロジェクト【長崎県長崎市】
各対象施設からは多種多様な取り組みが紹介され、まちづくりや地域活性化の核となる交流拠点として魅力的な特徴を有しています。その中からいくつかピックアップして紹介してみましょう。
- ●FLAT HACHINOHE(青森県八戸市)
- 2020年4月、JR八戸駅西口に開業した「FLAT HACHINOHE(フラット八戸)」は、「氷都・八戸」のシンボルであるアイスホッケー、アイススケートを中⼼とした通年型アイスリンクをベースとしながら、移動式断熱フロアを使⽤することで、さまざまなアリーナスポーツやコンサート・コンベンション等にも使⽤が可能。プロバスケットボールの試合をはじめ、学校教育や地域⾏事などすべての⼈に開かれた優れたユーティリティを備える多⽬的アリーナです。
- ●横浜文化体育館再整備事業(神奈川県横浜市)
- 横浜臨海部「関内・関外地区」では市庁舎の移転を機に「スポーツと健康のまちづくり」として横浜文化体育館再整備事業に取り組んでいます。これまで稼働してきた横浜スタジアムに加えて、2つのアリーナを計画。「みる」を主体としたメインアリーナは2024年4月開館予定。「する」をテーマにした横浜武道館(サブアリーナ)は2020年7月に開館しました。「文化 人 まち をつなぐ」をコンセプトに新たなアリーナを中心としたまちづくりが進行しています。
- ●ノエビアスタジアム神戸(神兵庫県神戸市)
- 神戸市兵庫区にあるノエビアスタジアム神戸は、サッカー・ヴィッセル神戸やラグビー・神戸製鋼コベルコスティーラーズのホームグラウンドです。行政と管理者間でスタジアムの使用目的の確認を行い、さまざまな目的利用に向けて改修に着手。投資によりさらなる収益化を目指します。コロナ禍では神戸市、医療関係、ヴィッセル神戸などと連携しながらワクチン大規模接種会場として活用。地域を支える拠点として市民に愛されるスタジアムとなっています。
オンラインで全国を繋ぎ、執り行われた表彰式
2021年9月8日、「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」に選定された上記11拠点に対して選定表彰式が行われました。緊急事態宣言下での式典のため、感染対策に留意しながら拠点代表者たちはオンラインにて参加。会場には、室伏スポーツ庁長官、経済産業省の畠山陽二郎 商務・サービス審議官らが参列し、それぞれ挨拶を行いました。選定表彰式では、会場と拠点代表者のいるオンライン先を画面で繋ぎ、画面越しのバーチャル表彰といった新しいスタイルで、選定状とトロフィーの授与が行われました。授与式の後は、全拠点のプレゼンテーションが行われました。
選定表彰式の模様(左)、経済産業省の畠山陽二郎 商務・サービス審議官による御挨拶(右)
室伏スポーツ庁長官による挨拶(左)、トロフィーの授与の模様(右)
まとめ
各拠点のプレゼンテーションは、スポーツを核とした周辺地域と連携したスタジアム・アリーナの実現に取り組んでいる様子が熱く伝わってくるものでした。多様な世代が集う、これまでになかった交流拠点としてのスタジアム・アリーナが全国に展開されていくのが楽しみです。
●本記事は以下の資料を参照しています
スポーツ庁 - 令和2年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」選定の結果について(2021-10-01閲覧)
スポーツ庁 -令和2年度「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」選定拠点表彰式(オンライン)を開催(2021-10-01閲覧)
新たな価値で「スポーツの場」を生み出していく ~スポーツ施設のストックマネジメント及びスタジアム・アリーナ改革合同全国セミナー開催~(2021-10-01閲覧)
スポーツ施設による新たな価値創造に向けて〜スタジアム・アリーナ改革(2021-10-01閲覧)